年末の忘年会、お正月、新年会と、年末年始は食べたり飲んだりしてばかりだった方も多いかと思いますが、胃腸の調子は大丈夫ですか?
年始の仕事始め、なんだかかったるいなぁと思った方、胃腸が疲れているのかもしれません。
その上寒いと、あまり動きたくなくなってしましますね。
さて、人には生まれた時に元々持っているエネルギー(親から受け継いだもの)=「先天の精」と、飲食によって養われるエネルギー=「後天の精」があります。
先天の精は、生まれた時が満タンで成長とともに失われていき、それを飲食によって補いながら生きています。
消化・吸収されて初めてエネルギーとなるので、主に胃腸と脾の具合が悪いとエネルギーがうまく補充されません。
消化と吸収を行うのが胃と小腸、排泄を行うのが大腸と腎と膀胱です。
まず、飲食したものは胃でザッと消化された後、小腸で栄養分と不要物に分別され、栄養分は脾に送られて、全身に運ばれます。不要物は大腸と腎と膀胱へ送られて、排泄されます。
そして、これらの一連の流れをコントロールしているのが脾です。
この流れのどこかで変調が起きると、消化不良や食欲不振、胸焼け、下痢・便秘などの不調が現れます。
飲食によってエネルギーが補充されるわけですが、食べ過ぎるのは良くありません。
消化にもエネルギーを使うので、胃腸に負担がかかり、消化するだけで疲れてしまいます。特に動物性の肉は消化するのが大変です。
食べ過ぎて胃に空間がないと、胃が動きにくくなり消化が進みません。
さらに、食後に長い時間座っていたり横になってしまっても、食べたものが滞って気がふさがり、様々な疾患にも繋がります。
腹八分目が良いと言われるように、少し足らないくらいがちょうど良く、食後は5~10分休んだ後、散歩するなどして(その場で足踏みや家事などでもいいです)軽く体を動かしたほうが消化に良いのです。※食後すぐの重労働は消化不良を起こしますので、避けましょう。
また、あまり思い悩むのも良くありません。。
何の関係が??と思うかもしれませんが、思い悩むと脾が変調してしまうのです。
悩んだり考えすぎて胃が痛くなったことはありませんか?
東洋医学には「表裏一体」という考え方があり、表と裏は互いに影響し合います。
脾と胃は表裏関係にあるので、どちらかに変調があればもう一方に影響してしまいます。
思い悩んで脾が変調すると、胃の調子が悪くなったり、消化吸収にも支障をきたすことがあるのです。
高齢の方で、お肉を食べて元気そうな方をたまにお見かけしますが、それはお肉を食べるから元気というより、お肉を食べられるくらい胃腸が元気と言う方が正しいかもしれません。
健康で長生きするには、元気な胃腸が大事だということです。
そのためには、食べ過ぎず食べなさ過ぎず、消化の良いものを腹八分目ほど食べ、あまり考えすぎず、適度に運動するというのが理想です。
この当たり前な感じのことがわりと難しいのですが、それこそ難しく考えず、少し気にする程度でも体調が変わってくるかもしれません。
※「脾」というのは西洋医学でいう「脾臓」とは意味合いが違います。