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自律神経の失調とは

 

自律神経には交感神経と副交感神経があり、心筋・平滑筋(内臓、血管)・腺などの機能を調節しています。

私たちの意識ではコントロールできない、不随意運動というものです。

心臓が動いたり、トイレに行きたくなったり、汗をかいたりなど、私たちの生命活動には欠かせない重要な神経ですが、それらの働きが何らかの原因によって乱れて、様々な不調をもたらすことが、いわゆる「自律神経失調症」です。

自律神経は、午前中は交感神経が活発に働き、夜に向かって次第に副交感神経が優位になっていき、眠くなってくるというのが自然なリズムなのですが、この交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできないことで、失調が起こってきます。

 

症状は、慢性的な疲労感・だるさ・不眠・喉の違和感・胸焼け・便秘・下痢・頻尿・手足の冷えなどに加え、イライラ・不安感などの精神的なものなど多岐にわたり、人によっても異なります。

 

原因は、夜更かしなどの不規則な生活、夜勤、緊張する場面が続いている、就寝前にスマホやパソコンを見る、季節の変わり目の寒暖差や夏の猛暑、環境の変化、ストレス、体質、性格、女性ホルモンの影響(更年期や思春期)などが挙げられます。

 

治療法は、薬物療法、心理療法、理学療法、生活習慣の見直しなどがあり、鍼灸治療もその中の一つです。

鍼灸治療を受けた患者さんは、皆さん「治療をした日の夜は、よく眠れた」と言っておられますので、そういったことをきっかけに改善を目指すのも良いかと思います。

または、朝起きたら少しでも日光を浴びる、カフェインや寝酒を控えめにする、軽く散歩をする、ビタミン類やカルシウム・マグネシウム・鉄分・亜鉛などを摂取する、スマホやパソコン・入浴は就寝の1~2時間前までにする、自分に合ったリフレッシュ方法を見つける等々・・・自分で出来ることも色々あります。

ここで注意したいのは、やり過ぎないことです。意気込んで一気にやりすぎたり、ストイックに「やらなければ」と思うと、かえって良くありません。

治療は、自分が出来そうなことを一つでも、少しずつでも続けることが大事です。

少しでも続けていれば習慣となり、苦にはならなくなってきます。

人は、楽しいこと以外で何かを始めるには、中々エンジンがかかりにくいものです。

「とりあえずやってみよう」という軽い気持ちで始めてみてはいかがでしょうか。